2014年 新春特集号
一つの集団は規模の大であれ小であれ、世界の動静、国家の方針に左右される。そのために組織を指導するリーダーは、社会の移り変わり行く方向を見定めなければならない。しかし社会を動かしているは人間そのものです。人間には本能というエネルギーがあり、そのエネルギーは五種類が存在し、人間が作る世界も五つの世界となり、社会現象のパターンも五種類となる。しかし日々、諸々の社会現象に直面しているため、どうしても目の前の事柄に追われてしまいがちになる。
そこで一部の人達のみが鋭く先の時代を読み取り対処することになる。そこにリーダーであるための目が存在する筈です。そして大多数の人達はリーダーに頼ることになる。それは人間が個で生きて行けるわけではなく、常に集団の中の一員だからです。
人間が作る五つ世界を捉えようとする時、ある一点を眺めて動静を掴むのです。その捉え方のひとつは景気の状況を見つめることです。好景気、不景気のそれぞれの社会現象の中には必ず歪みがあるのです。自然界には中庸(バランス)の法則が存在し、歪みにより一方が浮上していれば、もう一方で沈むものがあるのです。人間は不景気だからと言って萎縮し、好景気だからと言ってバブルの種を作りだす。リーダーたるものは時代と社会を読み取り、一歩でも二歩先を行く行動が求められる。
2008年のリーマン・ショックはアメリカの時代移行期に起きた (1)
●時代には五つの時代がある。それは動乱混迷期時代・教育習得期時代・経済確立期時代・市民平和期時代そして権力台頭期時代である。時代は十年毎に次の時代に移行する。
●現在(2014年)のアメリカは経済確立期の時代に位置している。2008年にリーマン・ショックは起きた。この年は、アメリカが教育習得期の時代から経済確立期の時代へ移行期間であった。
●リーマン・ショックからさかのぼること10年前の1998年にリーマン・ショックと同等な金融大事件が起きた。それはロングターム・キャピタル・マネジメント(LTCM)のヘッジファンドは破綻である。この1998年はアメリカが動乱混迷期の時代から教育習得期の時代への移行期間ときであった。
●1998年からの教育習得期の時代は金融を通じて富を蓄積するというアメリカ経済政策の劇的な変化の時代である。IT革命に支えられ高い経済成長を達成し、2001年にITバブル崩壊による景気後退に見舞われたが、住宅投資の大幅増に支えられ、景気の拡大が2007年まで続いた。この流れの中で住宅ブームは更に拡大し、2008年を迎え、リーマン・ショックとともに住宅バブルは崩壊し、アメリカは新たな経済確立期の時代を向かえ、現在(2014年)に至る。
●アメリカが現在置かれている経済確立期の時代は、@国全体の価値観が経済第一と言う風潮になる。A経済力強くなる次第に安定していく。B国民が大統領を軽視するようになる。C国家よりも国民の力が強くなり国家批判が台頭する等の特徴がある。しかし国民の見えない裏側では国力の蓄積を始めている。
●人間は自然界の一員であり、人間の集団であるアメリカ国家も自然界の法則に沿って時代は進んでいる。そして自然界の法則に逆らうことは出来ない。五つの時代は図のように動乱混迷期→教育習得期→経済確立期→歯根平和期→権力台頭期→元の時代に戻る。即ち時代は循環しているのです。しかし同じ時代が来ても人間は進歩しており次元が違ってくる。時代という時計の針は一周して同じ時刻を指すが、同じ時間でも窓から見える外の風景は違うのです。